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('A`)ドクオは勇者になったようです  ‐3‐『8208』



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:28:28.29 ID:5fv8ne4RO
('A`;)「…」

('A`;)「…? どこだここ」


 …よし、よし、まずは状況を整理しよう。
僕はたった今まで自分の家にいた。

 メイドロボットが目の前にいたんだから、これは間違いない。

 …よし、じゃあ、


('A`;)「ここはどこだ?」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:29:25.54 ID:5fv8ne4RO
('A`)ドクオは勇者になったようです

‐3‐『8208』





4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:30:27.93 ID:5fv8ne4RO
 僕がいた場所は、見渡す限りの大草原。

 草の海、以外に書けることは何もない。
どれだけ目を凝らしても、地平線の向こうに何らかの影を見出だす事は出来なかった。


('A`;)


 ゲームだとこういう場合は、大抵どこか近くに武器みたいなのが落ちてるもんだけど…。


('A`;)「うん、何もないな」


 何度でも言おう。
周りにある唯一のものは、何の殺傷能力もない、膝くらいの高さの草だと。

 そして、こんな場所に放り出されてもどうすればいいのかが分からない、と。

 丸腰の状態で、たった独り、訳の分からない場所にいる。
これほど不安な事はそうそうないだろう。


('A`)「…ん?」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:32:09.78 ID:5fv8ne4RO
 ふと、左の手の甲に何か数字が浮かんでいるのに気付いた。
ペンで書いたような字じゃなく、痣のように見える。


('A`)「なんだこれ」


 まるで誰かが殴り書きしたような荒れた線。


('A`)「『8208』?」


 僕の左手の甲に浮かんだ四つの数字。

 何の番号だろう?
記憶は曖昧だけど、こんなものは部屋にいた頃はなかったはずだ。

 だから、ここに来た時に何らかの形で刻まれた番号だろうというのは分かる。


('A`)「まぁ…考えたって仕方ないよな。…周りに何か危ないものがあるようにも見えないし」

('A`)「とりあえず進んでみるか」


 ここにいても埒があかないし、番号の意味も分からないままだろうからさ。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:34:53.57 ID:5fv8ne4RO
**********
**********

 歩いてる方角は分からない。

もしかしたら、同じ場所をぐるぐると回っていたかもしれない。
周りの景色が変わらなすぎて、方向感覚がバカになっているように思う。

 それでも、なんとか、疲れて歩けなくなる前に、僕はやっとひとつの建物を見付けた。

 その時の安心感と言ったらほんとに、言葉なんかじゃ表せられないものだった。

 見付けた建物は爽やかな大草原には似つかわしくない、何の面白みもない無機質なもの。

 灰色のコンクリートで、申し訳程度の窓があり、ひと気は全く感じられなかった。


('A`;)「ふう、ふう」


 それでも、屋根と壁があるというこの安心感!
…VIPにいた頃は、屋根と壁があるのは当たり前だったからなぁ…。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:37:00.99 ID:5fv8ne4RO
('A`;)「疲れた、」


 建物の中にはやっぱり誰もいなかった。
その代わり、木で出来た棚やら箪笥の中からペットボトルの水と薬箱を見付けた。

 誰かの住家かとも思ったけど、古いテレビなんかがある癖に生活臭は全くない。


('A`)「変な場所だな…」


 殺風景な部屋の中で唯一気になったのが、天井の隅に取り付けられた古いタイプの監視カメラだ。

 常に誰かに見られているようで落ち着かない。
政府が設置したものだろうか?


('A`)「はぁ…」


 あまり坐り心地が良くない椅子に座って、僕は水を少し口にする。

 目を閉じて耳を澄ますと、風が大草原を流れる音が聞こえた。

 よし、段々落ち着いて来たぞ。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:40:21.99 ID:5fv8ne4RO
('A`)「………」

 ここは恐らくラウンジのどこかだろう。
VIPしか世界を知らない僕にとって、ラウンジはまるで未知の世界。

 危険なことも、きっと沢山ある。
得体の知れないモノに会うこともあると思う。

 だけど、やれるところまでは頑張ってみよう。

 魔王には到底辿り着けはしないだろうけど、やってみる価値はあr

『ナンバー 8208 確認 完了 イタシマシタ』

『コレヨリ 装備一式ノ 支給準備ヲ シマス』


('A`;)「なななななな何だ!?」

 静寂を引き裂いて部屋中に響く機械音声。

 それと同時に勝手に点灯した、古いタイプのテレビ。
 昔学校の教科書で見た覚えがあるな。
確かブラウン管っていったはずだ。


('A`;)「??」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:42:51.50 ID:5fv8ne4RO
 ブゥン、と低く重い音を立てて点いたテレビの画面には、VIPのモナー大統領が映っていた。


( ´∀`)「こんにちは、8208番目の勇者くん。気分はどうかな? 監視カメラがちゃんと作動してくれたようで良かった」


 おっとりした口調で、モナー大統領がテレビの向こうから僕に話しかけて来る。

 手の甲に浮かんだ数字は、ラウンジに飛ばされた勇者の数だったのか…。


('A`;)「あ、ぅ…。わ、悪く、ないですけど…」

( ´∀`)「そう堅くならないで構わないよ。転送装置もちゃんと作動したみたいだから、こっちも安心したしね」

( ´∀`)「それより、今の君の状況を説明するからしっかり聞いておくように」

( ´∀`)「今君がいる所は、まだVIPの中だ。…と言っても、後一歩のところでラウンジに出るというギリギリの所」

( ´∀`)「そこは、『装備支給地点』として政府が用意した空間さ」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:45:22.83 ID:5fv8ne4RO
( ´∀`)「君たち勇者の名をかぶったニートは、これからラウンジに追放されることになる」

( ´∀`)「VIPに戻る唯一の方法は、ラウンジの大統領を殺すこと」

( ´∀`)「もちろん、狂暴な亜人やモンスターもいると思う。まぁ、レベル上げ頑張ってよ(笑)」

( ´∀`)「じゃあ、武器の話に移ろうか。武器は剣と銃、どっちかだ。他の勇者はほとんどが銃を選んだよ」

( ´∀`)「剣を振るのって力がいるみたいだから、ニートには銃の方がいいかもね。自分の命が懸かってるんだから、真面目に考えるんだよ」


 大統領の笑顔は、まさに嘲笑という言葉が似合っていた。

 口にはしないけど、

『まぁ頑張れば? 多分すぐ殺されるのが関の山だろうけど』

と、人を小馬鹿にしたようなニュアンスは絶対に含まれてると思う。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:48:23.39 ID:5fv8ne4RO
 ……。
…なんか気にくわないな。

( ´∀`)「武器、どっちがいいかな? でもどうせ君も銃を選ぶんだろ?」


 頭ごなしに全てを決め付けたような言い方も、

( ´∀`)「いやね、正直な話、もう少しニートの数は減ると思ってたんだよ」

( ´∀`)「キャンペーンCMとかも流して、支援期間なんてのも設けてたんだし、自販機の中の人とかのバイトもちゃんと増やしたんだしさ」

( ´∀`)「まさかまだ8000人以上のニートがいるなんて思わなかったよ」

 モナー大統領の笑い方も、


( ´∀`)「それにしてもさ、いつも思ってたんだけど君達引きこもりニートって普段何してるの? ネットでなんか色々やってるのかな?」


 なんか全てが気に入らない。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:49:52.47 ID:vPzIjCw70
なんか全てが気に入らない。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:50:18.29 ID:+TqmEohn0
なんか全てが気に入らない。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:50:45.57 ID:5fv8ne4RO
('A`;)「……」

( ´∀`)「あ、早めに武器決めてよ。もう次の『勇者』が別の空間の装備支給地点にたどり着いたみたいだか('A`;)「……にするな」

( ´∀`)「えっ?」

('A`;)「に、ニート馬鹿にすんなよっ! おおおお前なんかに何がわ、分かるってんだ! 職探してもどこにも無かったんだよ!」

('A`;)「お俺は好きでニートやり続けてたんじゃねぇんだよっ!」

('A`;)「く、く、国が、何だか分からないとか、言ってるような、奴に、な何が、分かるんだ!」

('A`;)「馬鹿にするのも大概にしろよ! このバカ! マヌケ顔! お前の母ちゃんでべそ!」


 呆気にとられたモナー大統領の顔が、一拍置いた後にみるみる豹変した。
人を馬鹿にしたような顔から、まるで般若のような顔に。

 う…。怒らせてしまったようだ…。
今から謝ったら、許してくれる…訳ないか…。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:52:04.55 ID:5fv8ne4RO
(#´∀`)「んああああああ! 僕はもう怒ったモナぁああ!! ここまでバカにされたのは初めてモナ!」

(#´∀`)「お前なんかに武器、一つもくれてやらないもんねー! 精々足掻くといいモナ!」

('A`;)そ「そ、そ、それは勘弁してください! お願いします! せめて剣でもいいから…」

(#´∀`)「やらん!」


 テレビの向こうで、大統領は指を鳴らした。
それと同時に消えるテレビ。

 そして、またもぐにゃりと歪む視界。

 大統領の逆鱗に触れた僕の行き先は、



**********


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:53:20.62 ID:5fv8ne4RO
**********

「――――さん」

「―――者さん」

「――勇者さん」


 勇者って、…誰だ?


「起きろって、8208番目の勇者さん」


 8208……。
あぁ、僕か…。

 8208番目、ってのは余計だよ、まったく。


「起きないとアレだ、危ないよ」


 危ない?


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 20:57:55.30 ID:5fv8ne4RO
('A`)「何が?」

( ・∀・)「あ、起きた起きた」

( ・∀・)「目覚めた直後で悪いんだけどさ勇者さん」

( ・∀・)「アンタ今、危機的状況だよ。丸腰だろ?」

('A`;)「え、え、え?」


 目が覚めて最初に見たのは、整った顔の男だった。
世間で言う、イケメンか。

 だけど、彼は人間かと聞かれると、それは少し答えに詰まる。

だって彼の頭には、猫のような蒼い三角耳がついているから。


('A`;)「え?」

( ・∀・)「ほら、周り見てみ」


 けたけたと笑う彼は、僕の周りを指差した。
つられて僕も周りを見る。
そこには、


('A`;)「ぎゃああいあああああああ!!」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:00:25.22 ID:5fv8ne4RO
 それはまぁ殺気に満ち溢れた奴らが沢山いた。
人数にして、50人くらい。

 全員が、思い思いの武器を構えてこちらに向けている。
いずれも人間ではないだろう。

 肌の色が赤だったり白だったり、腕や脚が沢山あったり。


( ・∀・)「彼らは君を殺すつもりだよ。それくらいは分かるだろ?」

('A`;)「は、は、え? だって、僕は」

( ・∀・)「一応これからの行動の為に聞いておくけど、君は戦ったことはある?」


 気さくに話をするイケメンの彼は、僕の前で片膝をついて話を続ける。

 その間僕らを包囲している奴らは、攻撃してくるでもなく、黙って顔を殺意に歪めたまま武器を揺らしていた。
がむしゃらに襲って来ないのが、唯一の救いだ。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:02:27.32 ID:5fv8ne4RO
( ・∀・)「こういう、確実な殺気を持った奴ら相手にした戦闘経験は?」

('A`;)「う、あ、あの、つ、常に、世間の目とは、戦って、ました」

(;・∀・)「うーん、それもある意味では確実な殺気があったかもしれないけど、俺が聞きたいのはそういうのじゃないなぁ」

( ・∀・)「命の奪い合いをしたことはある?」


 目の前にいるイケメンの緑色の瞳が、真っ直ぐに僕を見据えていた。

 い、命の奪い合いなんて、あるわけないだろ!


('A`;)「な、ない。ない、です」

( ・∀・)「そうか、じゃあ君は戦闘では何の役にも立たないな」

('A`;)「は、はぁ」

( ・∀・)「……」



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:07:40.33 ID:5fv8ne4RO
 まるでこの状況を楽しんでいるかのように、イケメンは、周りを取り囲んでいる『敵』を見回す。
僅かに開いた口から、鋭い歯が見えた。


( ・∀・)「おk、じゃあもう一つの質問だ。君は、魔王を倒すつもりはあるかな?」

('A`;)「ま、まお、魔王…。……た、倒せるかどうかは、分からないけど、出来るところまでは、やります」

('A`;)「僕は、び、VIP、に戻るって、メイドロボットと、約束、したんだ」

(;・∀・)「メイドロボット…。そ、そうか」

( ・∀・)「……。じゃあさ、8208番目の勇者さん。俺はあんたに協力することに決めた」

( ・∀・)「だからこの包囲をまずは突破しよう」


 にっこり笑って、イケメンが立ち上がる。
頭から爪先までガクガクと震わせながら、僕も恐る恐る立ち上がった。

 周りにいる敵は、イケメンを忌ま忌ましそうに睨む。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:09:27.96 ID:5fv8ne4RO
('A`;)「え、えっと、イケメンさん、僕、た、戦えない、です、す、すいません」

( ・∀・)「分かってるよ」


 余裕の笑みを湛え、イケメンは一歩前に進んだ。
ただそれだけなのに、僕らを囲んでいた輪が少し崩れる。


( ・∀・)「さぁ、そこを退け。道を開けろ。8208番目の勇者様が通る」

('A`;)「す、すいません、通して、ください」


 イケメンが一歩進む度、周りにいた敵は一歩しりぞく。
この世界でも、力関係はイケメン>不細工なんだろうか。

 …世の中って、どこもかしこも不公平だな…。





25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:12:36.42 ID:5fv8ne4RO
敵の視線に押し潰されそうになりながら、僕はなんとかイケメンの助けを受けて敵の包囲網を無事に突破した。

気が付けば体中は冷や汗でベタベタで、何もしていないのに息は浅く速くなっていた。


( ・∀・)「緊張し過ぎだよ、あんなの旅の最初に出くわすスライムみたいなもんだ」


 そんな僕の異常を察してくれたのか、イケメンは笑いながら歩く速度を落としてくれる。

 僕を殺すのを諦めたのか、敵の姿はもう見えなくなっていた。





26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:13:21.50 ID:5fv8ne4RO


('A`)ドクオは勇者になったようです

‐3‐『8208』終わり




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:14:33.68 ID:5fv8ne4RO

色々とツッコミ所はあるけど、とりあえず今日はこれで終わり

明日もまた来る

支援ありがとうございました。

何かあったらどうぞ




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:25:21.67 ID:95lyVFqy0
きてたか乙
これ期待してるよ
明日もよろしく


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:26:41.85 ID:gO74wSOn0
見てたよ
おつ


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:32:22.56 ID:gR9oN5eLO
乙!


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/18(日) 21:32:43.70 ID:sYWnq0Kw0
面白かった
話も分かりやすい
これからドクオが他のニートとどう関わっていくのか楽しみな感じ

明日も頑張ってくれ

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