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lw´‐ _‐ノvの超現実的愛情のようです #3

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:04:46.73 ID:A7p51sxM0
-素直シュールの超現実的愛情-


あらすじ

シューは今は亡き祖父・荒巻スカルチノフの屋敷で奇妙な壷を手に入れる。

その壷には荒巻に大恩を受けた男、内藤ホライゾンの亡霊が宿っていた。

内藤は霊能力を使い、荒巻の子孫であるシューに恩返ししようとするのだが……


lw´‐ _‐ノv:素直三姉妹の末っ子。小学生。このお話の主人公。
      極端に無口だがワガママであくどい。

( ^ω^):壷に住み付いている亡霊。
      荒巻への恩返しのため、子孫であるシューにコキ使われている。
      霊能力で色々不思議な現象を起こす。

J( 'ー`)し:三姉妹の母親。マイペース。

川 ゚ -゚):三姉妹の長女。高校生。メカマニアの天才少女。

ノパ⊿゚):三姉妹の次女。中学生。脳筋の格闘バカ。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:06:06.57 ID:A7p51sxM0

1.
どこにでもあるような小さなの町から少しだけ離れた丘に、

どこにでもあるような小さな家が建っていた。

だけどどこにでもあるような一家の末っ子、素直シュールは、

ちょっとどこにもいそうにない女の子だった。

実家でもらった壷から現れた亡霊・内藤ホライゾン。

彼はシューの祖父に受けた恩を返せぬまま非業の最期を遂げた少年。


「俺ならドラえもんをもっと上手く使える」


これはそんな妄想を抱いたことのある人に贈るお話である。




素 直 シ ュ ー ル の 超 現 実 的 愛 情 の よ う で す

#3 お父さんに会いに行こう













5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:07:42.30 ID:A7p51sxM0

2.
ある日曜日の朝。

シューは目覚めと共に雰囲気の違いを感じ取った。

誰もが気だるい惰眠を貪る時間帯なのに、家中がよそよそしい雰囲気に包まれている。


lw´‐ _‐ノv「?」


パジャマのまま地階に下りると、クーとカーチャンが何か話し合っていた。

シューに視線をやると一瞬、二人とも口を閉ざす。


J( 'ー`)し「起きたかい、シュー」

川 ゚ -゚)「おはよう。シュー、お父さんに会いたくないか」

lw´‐ _‐ノv


朝食にステーキと牛丼を出されたような衝撃だ。

いきなり何の話だろう?




6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:08:59.05 ID:A7p51sxM0

3.
クーは椅子から立ち、シューの前まで来た。

床に膝をついて視線の高さを合わせる。


川 ゚ -゚)「父さんは遠くにいるんだ。とてもとても遠い場所だ。

    お前が会いたいって言うなら連れてってやる。嫌なら別にいいんだ」


シューがどう返事をしていいかわからずにいると、どたどたとやかましい音を立ててヒートが

階段を降りてきた。


ノパ⊿゚)「おはよー! 何だシュー、まだ用意してないのか。行くんだろ? 父さんとこ」

lw´‐ _‐ノv コ、コクリ


ヒートの勢いに乗せられて思わず頷く。


川 ゚ -゚)「そっか。じゃ、着替えな」

J( 'ー`)し「綺麗な服を着ておゆき」






8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:10:32.35 ID:A7p51sxM0

4.
lw´‐ _‐ノv「???」


クーもヒートも準備を始めたのに、カーチャンだけは席を立たなかった。

川 ゚ -゚)「カーチャンは行かないんだ」


朝食を終えて着替えたシューは、部屋を出る前に壷をノックした。

内藤は珍しく一度で出てきた。


( ^ω^)「お呼びですかお」

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)「お? なんかお洒落してますお。どっかお出かけですかお」


シューは事情を話した。


( ^ω^)「なるほど、お父さんに……わかりましたお。留守番は任せて下さいお」

( ^ω^)(フヒヒ! 今日は一日中ダラけていられるお)



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:11:56.08 ID:A7p51sxM0

5.
三姉妹は家を出て駅に行き、電車に乗った。

窓の外で流れ行く景色を眺めながら、シューは父親のことを考えていた。


lw´‐ _‐ノv


彼の存在が気にならないわけではなかったけれど、ただそれは何となくカーチャンやクーに

聞いてはいけない事のような気がしていた。

一体どんな人なんだろう。


ノパ⊿゚)「久しぶりだなー! とーちゃん元気かなー!」


そう言えば、制服以外でスカートをはいているヒートを見るのも初めてだ。


川 ゚ -゚)「シュー、父さんが何故そこにいるかは父さん自身が話すと思う。

    だから私たちには何も聞かないでくれ」

lw´‐ _‐ノv「……?」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:13:26.17 ID:A7p51sxM0

6.
電車は小さな海辺の町にたどり付いた。

三人はそこで降り、バスに乗った。

向かう先は河口にある巨大な三角州に作られた施設だ。

長い長い鉄橋がそこまで伸びている。


lw´‐ o‐ノv「……」


バスの窓に顔を押し付けて、シューはそのコンクリートのカタマリに目をやった。

高い壁に囲まれた要塞みたいな建物だ。

バスを降りて建物の来客用入り口に入る。

受付でクーは身分証明を見せた。


川 ゚ -゚)「面会したいんだけど」
∧∧
(,,゚Д゚)「わかりました。じゃあまずは金属探知機を通って下さい、それからボディチェックです」


三人は順番に装置を潜り、女の職員に体中を調べられた。





12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:14:54.74 ID:A7p51sxM0

7.
一方その頃、内藤は壷を出てキッチンへ向かっていた。

冷蔵庫を開いてめぼしいものを漁る。


( ^ω^)「フヒヒ! 摘み食い、摘み食いと……」

J( 'ー`)し「……」

( ^ω^)「あ、どうもですお。お邪魔してますお」


カーチャンは黙って物置へ行き、そこにしまっておいた青竜偃月刀を取り出してきた。


J( 'ー`)し「鏖殺!!」

(;゚ω゚)「へぎい!?」


内藤が慌ててその場から飛び退くと、一瞬前までいた場所に刃が炸裂した。

冷蔵庫が真っ二つになって両側に倒れる。


J( 'ー`)し「カーチャン泥棒は嫌いだよ、自己判断で処刑するよ」






15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:16:24.76 ID:A7p51sxM0

8.
(;^ω^)「ちょちょちょちょっと待って下さいお!! 話を! 話を聞いてくださいお!」


カーチャンは偃月刀をくるくる回して一分の隙も無く構え直し、言った。


J( 'ー`)し「地獄で閻魔に聞いてもらうんだね」

(;^ω^)(あのお嬢さんの母親だけのことはあるお……)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


クーが手続きを済ませた後も、面会までは大分待たされた。

待合室のベンチに座って待つ間、シューは窓の外を見ていた。

高いポールの先端で赤い回転灯が光っている。


ノパ⊿゚)「姉ちゃん、赤だ……」

川 ゚ -゚)「ん」


二人が言っている間にランプは青になり、それからずっとその色のままだった。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:17:54.40 ID:A7p51sxM0

9.
lw´‐ _‐ノv「?」

川 ゚ -゚)「あのランプが赤い時は『大量に電力を使ってます』って印だ。つまり……」

ノパ⊿゚)「誰かが電気椅子にかけられてるんだってさ。死刑になってるんだ」

lw´‐ o‐ノv


シューはようやくこの建物が何なのか理解した。

ここは刑務所だ。


川 ゚ -゚)「シュー、今日はお前が父さんに会え」

lw´‐ _‐ノv

ノパ⊿゚)「差し入れ持ってきたからな。看守さんに渡すんだぞ」

川 ゚ -゚)「チェックが済んだら父さんに渡る仕組みだ。ほら、順番が来たぞ」


手にしたプラスチックの札の番号が電光掲示板に表示されている。

シューは差し入れの紙包みを手に立ち上がった。






18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:19:25.92 ID:A7p51sxM0

10.
建物全体から圧し掛かってくる重い雰囲気で、小さな膝がずっと震えている。

シューは転びそうになりながら職員のところへ行き、札と差し入れを渡した。

∧∧
(,,゚Д゚)「向こうだ。面会時間は30分だぞ」


職員は廊下の奥を指差した。

鉄格子と強化ガラスで出来たゲートをいくつか潜ると、面会室についた。

広めの部屋にテーブルやソファがいくつも置いてあって、そこに何人もの囚人と面会者がいた。

シューの眼は真っ直ぐにソファの男に行った。

∧_∧
( ´_ゝ`)


青い囚人服の上下に身を包んだ、背の高い男。

彼もまた、シューがこの部屋に入った時からずっと彼女を見ていた。


lw´‐ _‐ノv「……」






20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:20:58.71 ID:A7p51sxM0

11.
シューはソファの前まで行った。

彼は立ち上がって迎えた。


lw´‐ _‐ノv
∧_∧
( ´_ゝ`)


二人とも、何を言っていいのかわからない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


家中のものが粗方二つか三つに分断されている中、カーチャンは偃月刀に砥石をかけながら言った。


J( 'ー`)し シャーコ、シャーコ「今出て来たらカーチャン許してあげるよ」

(;^ω^)(それなら何で砥石かけてるんだお……絶対嘘だお)


内藤はバスルームに隠れていた。







23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:22:25.84 ID:A7p51sxM0

12.
内藤のケツから伸びている白い糸は、二階にある壷と繋がっている。

壷の中に逃げ込むことができれば安全なんだが……


J( 'ー`)し「ん? 糸?」

(;^ω^)(あ、マズイお! 見つかったお)


次の瞬間、バスルームのドアを突き破って偃月刀が飛び込んできた。

切っ先が内藤の鼻先をかすめ、一瞬遅れて木屑が降り注ぐ。


(;゚ω゚)「ぎゃああああ!!」


偃月刀が引っ込むと次はカーチャンがその穴から顔を出した。


J( 'ー`)し「そこにいたのかい、カーチャン探したよ」

(;゚ω゚)「アレッシ――――――――!!!」





24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:23:37.11 ID:A7p51sxM0

*ホラー映画マニアの方は内藤のセリフを
「ジャックニコルソ―――――――ン!!!」
に脳内変換して下さい



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:25:00.07 ID:A7p51sxM0

13.
シューと兄者は並んでソファに腰掛けた。

∧_∧
( ´_ゝ`)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」


ややあってからシューの父、兄者は唐突に語り始めた。

∧_∧
( ´_ゝ`)「昔、仲間と組んで銀行や現金輸送車を襲ってた」


他に何を話して良いのかわからなかったのだろう。

∧_∧
( ´_ゝ`)「銃は使わない。誰も傷付けない。それだけがルールだった。

      全部で五回やって、五回目で失敗したんだ。いや、仕事自体は上手く行ったんだが。

      事後にカネの分配を巡って仲間といさかいを起こして……」

lw´‐ _‐ノv
∧_∧
( ´_ゝ`)「俺は仲間を撃ち殺すハメになった。みんなお前が生まれる前の話だ」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:26:27.79 ID:A7p51sxM0

14.
∧_∧
( ´_ゝ`)「だから、俺は強盗と殺人の罪でここにいる。終身刑だ」


兄者はシューの髪に触れようとしたが、彼女がかすかに身を強張らせたので手を引っ込めた。

∧_∧
( ´_ゝ`)「お前がカーチャンのお腹にいる時、俺は焦ってた。

      一度はカタギになったんだが、何もかも上手く行ってなかったんだ。

      最近まで一仕事で何千万も稼いでた奴が、毎日毎日会社に行って……

      頭下げて、歩き回って……スズメの涙みたいな給料で、しかも税金取られて……」

lw´‐ _‐ノv
∧_∧
( ´_ゝ`)「カーチャンには猛反対されたが、俺は五回目の仕事を引き受けた。

      そうすれば、またみんな上手く行くんじゃないかって思ってな。

      ……結果はこの通りだ」

lw´‐ _‐ノv「……」
∧_∧
( ´_ゝ`)「カーチャンはまだ俺のことを許してくれない。面会も手紙もなしだ」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:27:57.42 ID:A7p51sxM0

15.
だからカーチャンは来なかったのか。

∧_∧
( ´_ゝ`)「クーとヒートはよく来てくれる。ヒートは空手大会で優勝したって?」

lw´‐ _‐ノv コクリ
∧_∧
( ´_ゝ`)「クーはまた特許を取ったらしいな。大した奴だよ、俺の娘とは思えない」

lw´‐ _‐ノv
∧_∧
( ´_ゝ`)「……シュー」

lw´‐ _‐ノv「?」
∧_∧
( ´_ゝ`)「すまなかった」


何の事を謝っているのかわからない。

きっと何もかもひっくるめて全部なのだろう。

∧_∧
( ´_ゝ`)「俺は最低な父親だよ。だが、そんなことはわかってるんだ。

      お前も俺が父親だと言われても、どうしようもないだろ?」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:29:25.36 ID:A7p51sxM0

16.
lw´‐ _‐ノv


その通りだけど、頷いてもいいんだろうか。

この人が父親なんて全部夢みたいな気がしてきた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


J( 'ー`)し「……」

(;^ω^)「?」


顔をドアの穴に突っ込んだまま、カーチャンは動きを止めた。


J( 'ー`)し「カーチャン頭が抜けなくなったよ」

(;^ω^)「そ、それは大変ですお……」

J( 'ー`)し「……」

(;^ω^)「……」





32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:30:57.21 ID:A7p51sxM0

17.
カーチャンはその姿勢のままで四肢に力を込めた。


J( 'ー`)し ゴゴゴゴゴゴゴ


ドア板が軋み、蝶番が弾け飛ぶ。

カーチャンは壁から外れたドア板を首につけたまま立ち上がった。

まるでエリマキトカゲだ。


(;゚ω゚)「あんた何者ですかお!?」

J( 'ー`)し「カーチャンはカーチャンだよ」


青竜偃月刀を振り上げ、カーチャンは斬りかかった。

内藤はかわそうにも、脱衣所は狭過ぎて逃げる場所がない。


J( 'ー`)し「討ち取っ―――エンッ!!」

(;゚ω゚)「ぎゃああああああ……あ、あれ?」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:32:27.60 ID:A7p51sxM0

18.
カーチャンは首につけたドア板がドア枠にぶつかり、斬り込みを阻まれていた。

その隙に内藤は彼女の脇を潜り抜けてリビングに逃れる。


J( 'ー`)し「サーチアンドデストロォォ――――イ!!!」

(;^ω^)「ひいいい!!」


刃が唸りを上げて内藤を追いかけてくる。


J( 'ー`)し「避けるんじゃないよ、避けると苦痛が長引くよ」

(;^ω^)「(これ以上死なないけど)痛いのは嫌だおー!!」


カーチャンの青竜偃月刀は縦横無尽にあたりを飛び交い、家中を片っ端から刻んでゆく。

内藤はとうとう部屋の隅に追い詰められた。


J( 'ー`)し「今度こそカーチャンやっちゃうよ、覚悟し……おや?」

(;^ω^)「あれ、家が何か……傾い……」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:33:56.48 ID:A7p51sxM0

19.
どこかで何か大きなものが軋んでいる。

すぐに地響きがして、天井が物凄い勢いで床に迫ってきた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


シューと兄者の間には、また沈黙が落ちていた。

視線もほとんどぶつからない。二人は自分の膝ばかり見ていた。

∧_∧
( ´_ゝ`)「そろそろ時間だな」


兄者はポツリと言った。

まるで早くタイムリミットが来てくれと言わんばかりに。

∧_∧
( ´_ゝ`)「もしも……」

lw´‐ _‐ノv「?」
∧_∧
( ´_ゝ`)「もしも俺のことが憎かったら……」






36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:35:25.53 ID:A7p51sxM0

20.
lw´‐ _‐ノv
∧_∧
( ´_ゝ`)「俺のことなど忘れてくれ。俺なんかの事で悩むな」


看守が来た。腕時計に眼をやり、それとなく二人にアピールする。

兄者はソファを立った。


lw´‐ _‐ノv「……」


同じくソファを立ったシューは、ようやくかすれかけた声を出した。


lw´‐ _‐ノv「お父さん」
∧_∧
( ´_ゝ`)「!」


拳を握り締め、更に言葉を絞り出す。


lw´‐ _‐ノv「私、嬉しかった」
∧_∧
( ´_ゝ`)「……?」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:36:55.38 ID:A7p51sxM0

21.
lw´‐ _‐ノv「お父さんが……もしもお父さんがいなかったら、どこにもいなかったら、悲しかった。

      でもここにいたから、だから……」
∧_∧
( ´_ゝ`)

lw´‐ _‐ノv「嬉しかった」
∧_∧
( ´_ゝ`)「……」

lw´‐ _‐ノv「すごく、嬉しかった」
∧∧
(,,゚Д゚)「時間だ。来い」
∧_∧
( ´_ゝ`)「……」


兄者は刑務所の奥深くへ続く廊下へと消えて行った。

シューはしばらく涙をにじませてその姿を見送った。


lw´; _;ノv







39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:38:25.58 ID:A7p51sxM0

22.
待合室に戻るとクーとヒートが待っていた。


川 ゚ -゚)「ん」

ノパ⊿゚)「とーちゃん元気だったか?」

lw´‐ _‐ノv コクリ

川 ゚ -゚)「それは何よりだな。さあ、出よう」

ノパ⊿゚)「おー!」


バス停で三角州を出るバスを待つ間、クーが言った。


川 ゚ -゚)「父さんを恨んでるか、シュー?」

lw´‐ _‐ノv

川 ゚ -゚)「私はずっと憎んでた。『お前なんか父親じゃない』って面と向かって言ったんだ、

    逮捕されてすぐの時」

lw´‐ o‐ノv






41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:39:56.41 ID:A7p51sxM0

23.
川 ゚ -゚)「確かに父さんはまともな人間じゃなかったかも知れない。人を殺したんだからな。

    でも人はその場その場で『こうするしかない』って判断を取る以外にないんだ。

    それが正しいかどうかわかるのは、大抵ずっと後のことなんだ」

lw´‐ o‐ノv

川 ゚ -゚)「今お前が父さんに感じてるものが正しいとか間違ってるとかは言わない。

    でも長い時間をかけて理解してあげて。ちょっとずつでいいから」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv コクリ

ノパ⊿゚)「私はとーちゃん好きだぞ! かっこいいもん!」


ヒートは頑丈な歯をむいて笑った。


ノパ⊿゚)「刑務所出たら剣道教えてもらうんだ! とーちゃん段位持ってんだぞ!」

川 ゚ -゚)「模範囚ならあと10年かそこらで仮釈放があるかも知れないって弁護士さんが言ってた」







46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:41:26.24 ID:A7p51sxM0

24.
バスが来た。

シューはまた窓に顔をくっつけて、少しずつ小さくなるコンクリートの要塞を見送った。


lw´‐ _‐ノv


どんな人かずっと夢見ていた父親の理想と、今日直面した実際の姿。

現実は常に凶暴だ。

肉親と会えたことは理屈なしに嬉しいけど、他にも色々複雑な感情はある。

それでもシューは彼に会ったことを後悔はしなかった。

あの人が自分の父親か。


川 ゚ -゚)「寿司買って帰るか」

ノパー゚)「やったー! たまごはみんな私がもらうぞ!」

lw´‐ _‐ノv「ねぎとろ」





47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:42:57.85 ID:A7p51sxM0

25.
三姉妹は丘に戻った。

しかしそこに家はなく、ティッシュの箱を踏み潰したみたいな形状の残骸があった。


川 ゚ o゚)

ノパ o゚)

lw´‐ o‐ノv


首にドア板をつけたままのカーチャンはガレキに腰かけ、木片を燃やして焚き火をしていた。

上にかけられたヤカンが蒸気を吹いている。


J( 'ー`)し「お帰り。お茶飲むかい」

( ^ω^)「あ、お嬢さん。お帰りなさいですお」


向こうにいる頭に青竜偃月刀が刺さったままの少年は一体誰だ?

何で生きてるんだ?







49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:44:25.54 ID:A7p51sxM0

26.
内藤は改めて一家に自分の存在を説明した。


川 ゚ -゚)「ふーん、あの壷がねー。非科学的なこともあるもんだ」

ノパ⊿゚)「ほんとになー!」

J( 'ー`)し「なるほどねえ。カーチャンてっきり泥棒と間違えて叩き斬るところだったよ」

(;^ω^)「いえ、もう斬られてますお……」

J( 'ー`)し「それじゃ早速だけど、家を戻してくれるかい」

( ^ω^)「お任せ下さいお! 僕の霊能力なら一晩もあれば元通りですお!

      お嬢さん、いいですかお」

lw´‐ _‐ノvb

(*^ω^)(家一件分の領収書が切れるお。結果オーライだお)

川 ゚ -゚)「で、その領収書ってのだけど、今回はお前の自業自得なわけだろ」

J( 'ー`)し「その通りだよ。無償に決まってるよ」

( ^ω^)






51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:45:55.69 ID:A7p51sxM0

27.
カーチャンは背を向けてお茶を淹れながら、何気なく言った。


J( 'ー`)し「シュー、あの人はどうだった?」

lw´‐ _‐ノv …ゲンキ

J( 'ー`)し「そうかい。それならいいよ」


カーチャンが兄者について聞いたのはその一言だけだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その晩、ガレージで寝袋に入りながら、シューはランプの明かりを頼りに便せんとペンを引き寄せた。

一番上に「お父さんへ」と書く。


lw´‐ _‐ノv ♪


さあ、なんのことを書こうかな?






53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:47:25.16 ID:A7p51sxM0

28.
( ^ω^)「あのー、お寿司が残ってたら僕にも少し……」

ノパ⊿゚)「ガリ残ってるぞ、これ食え」

( ´ω`)(荒巻様、あんたの血筋って……)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


一方その頃、ニューソク刑務所。

看守ギコは電話を手に取った。

∧∧
(,,゚Д゚)「どうも。俺です」

    いえ、大したことじゃないんですが、奴の娘が面会に来たので。

    ……ええ、初めて見る顔で。多分末っ子です。

    例のことは喋ってません。その点はご安心を。

    ……ええ、ええ。ではまた連絡します」


ガチャッ。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/17(土) 20:48:55.34 ID:A7p51sxM0

29.
兄者は強盗を仕事と言い、そしてそれを「引き受けた」と口にした。

このことにシューが気づくのはもう少しだけ後のこと。

つまり、一体誰が兄者に仕事を依頼していたのか?















複線を張りつつ#3はこれでおしまい。#4に続く。












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