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<_プー゚)フエクストプラズマンの憂鬱のようです #4「個人的な独断と偏見的な意見が集合する中で」



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:06:25.45 ID:rHemQn9b0
 まったくもって、厄介なことになった。

 畳が返され、壁に穴は開き、襖が破れ、布団が切られて焦げ、食器やコップもいくつか割れた。
現在の私の部屋の内装はまるで慈悲の一片もない悪漢が蹂躙しつくしたあとであった。
ただでさえ薄い隣との壁を更に削り、空間を同一化させようとでもいうのか。敷金が心配である。

 人気のない場所で戦闘をしていた胡散臭い笑いを浮かべた「自殺志願者」と、猪突猛進な自称「ヒーロー」。
前者はまったく死に向かうその姿勢が顕示されないため私は虚言であろうと踏んでいるが、問題は後者であった。
自分自身が正義だと思い込んでおり、我々悪人を一個体残さず殲滅させる気でいた。視線が合い直後、戦闘の結果が私の部屋の現在である。

 状況を整理しようと思う。

 私と笑顔の男性は破壊の顕現と言える少女が怒り狂うあの場に居ては大怪我をするぞと察して逃げ出した。
そのすれ違い様、私はシュールの名前を呼んだ。幼い彼女の外見ならば親しみやすいと推定したためである。
「彼女に説明して納得させてやってくれ。分別と、自分の犯罪行為を。できるだけ穏便に!」こういった意味を込めて。

 するとどうだろう? 私の思い通りにことが進んだであろうか?
否、断じて否であった。現実とは常に予想もしない遥か斜め上の事態を私に向けてくるのだ。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:09:02.49 ID:rHemQn9b0
 シュールと私が一緒に場所に到着していたことから、少女はシュールも悪人だと見なしており、
傷ついた体に鞭打ち立ち上がって再び剣を作り出した。「あれは漆黒の殺意が宿った目だった」と言っている。
前方から駆けてくる少女にシュールはたじろぐことなく、ポケットから本を取り出して開いた。飛び出したのは巨大なコンニャクである。

 ぬりかべが目の前に出現した状態に少女はブレーキをかけた。
巨大な灰色の壁が自分に倒れてきた! 彼女はそれがやわらかぷるぷるなコンニャクであることを知っているはずがない。
押しつぶされて圧死してしまう! パニック状態になった彼女はデタラメに右手を振り回す。すると何の抵抗もなく切り傷が入った。

 少女の中で邁進する気持ちが芽生えた。
刀を前に突き出して跳躍し、槍兵の如くコンニャクを突き抜ける。なんと爽快感溢れるシーンあろうか。
壁を貫いた少女の目に映ったのは、二冊目の本を開いたシュールであった。私がメンテナンスを手伝った白濁色の球形物体が直撃する。

 そうして少女は気絶して戦闘は終了した。
「しまった、説得どころか説明もしていないぞ」シュールは思ったが正当防衛を盾に自分を非難する気持ちを退けた。
仕方がないので少女を自分の住処に運ぶことにした。そしてそこは悪人の巣窟である。目を覚まして目の前の私をみて狂乱。

 暴れる彼女を我々全員(つーさんはまだ帰ってきていない)で押さえつけて、現在少女は布団の上で気絶し眠っている。

 まったくもって、厄介なことになった。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:11:01.03 ID:rHemQn9b0
          <_プー゚)フエクストプラズマンの憂鬱のようです


          #4「個人的な独断と偏見的な意見が集合する中で」

            TELL ME PLEASE SWEETHEART





9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:16:32.25 ID:rHemQn9b0
 目の前で横たわる少女の名前はわからないが、一つ奇妙なことがある。
彼女の右手から変幻自在に形を変えるもののことであった。あんなことは身一つで出来るわけがない。
何か仕掛けがあるはずだ、と初めて見たときから思っていた。すると案の定、あったわけである。

( ´∀`)「なんやねん」

 機械仕掛けの亀である。外見は普通の亀のようであったが甲羅が非常にメタリックであった。
関西弁で人を見下したように話す亀であった。顔や手足の部分もよく見れば切れ込みが入っており、知能はAIであろう。
私は見覚えがなくなんだこいつはと睨んでいたが、シュールはこの亀を見て手を顎に当てていた。

 私の服のすそを引っ張り私に耳を貸せといった動作をする。
高さを合わせるため首をぐいと下げる。キリンになったかのような気持ちである。

lw´‐ _‐ノv「これ、マズイよ」

<_プー゚)フ「どうした」

lw´‐ _‐ノv「この亀、私たち悪の組織が製造したものだよ」

 私は嘆息するほかなかった。
私もかつて猛獣型怪人を見失ったことがあり、一般人に拾われて私利私欲に使われたらどうしようかと想像しながら町中を奔走した。
そのときは幸運にも親切な可憐な乙女が途方にくれた私の前に現れて、猛獣型怪人を手渡してくれた。満足に礼もできなかった。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:22:27.48 ID:rHemQn9b0
 しかし、不自然に感じられる点があった。
私が見失ったのはうさぎに似た動物であり、事実うさぎを基礎として作られている。
少女が持ち、使用していたのは亀である。移動速度に違いがありすぎやしないだろうか。

lw´‐ _‐ノv「強奪したんじゃないの」

<_プー゚)フ「馬鹿な」

lw´‐ _‐ノv「さあね、なににしろ、この子に聞けばわかるんじゃない?」

 私は寝転がる少女を見た。擦過傷、汚れた服装。オレンジ色の頭髪。
目を覚ますと再び暴れだすであろうから、私は人数を最小限にするべきだと考えた。
私とシュール以外は隣の部屋か隣の号室に行ってもらうか、と思ったが、少女を伸してしまったシュールがいてはいけない。

( ^Д^)「俺残りましょうか? ええ、俺が残りましょう。俺だけで十分ですよ」

 部屋の隅で黙って座り込んでいた男性が言った。
そういえばまだ名前を聞いていなかったので尋ねてみると「プギャーっす」と教えてくれた。
対決した本人じゃないか。そういう前に彼は言葉を続けた。

( ^Д^)「誤解も解きたいんですよね。俺、悪人じゃないですし」

 悪人と聞くと一般大衆は酷く怯える。
たとえどんな外見をしていようとも足を竦ませ肩を縮めて恐怖に顔を歪ませるのだ。
そうして大きな叫び声。やってくるヒーロー。サイン。お持ち帰り。ここまで様式である。

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:31:52.37 ID:rHemQn9b0
 ビコーズの胸に抱かれた猛獣型怪人が、顔を腕の中にもぐりこませ震えていた。
その様子をみたプギャーさんは表情を変えないで視線を私に移す。はやくしろと促しているのだ。

<_プー゚)フ「そうしよう。私とプギャーさん以外全員ここから出て行け。あ、亀も連れて行ってくれ。暴れられたらたまらない」

 そうして我々と少女の三人とだけとなった。

 少女が意識を取り戻すまで、私は聞きたいことを彼に問いかけることにした。
初対面であるのにそんなに踏み込んで良いのかと道徳が訴えかけてきたが、探るだけなら問題はないはずだ。

<_プー゚)フ「サイコキネシスはどこで身に着けたんですか?」

( ^Д^)「敬語なんかいりませんよ。俺相手ですし」

 彼は自信に満ちた発言を取ることが多かったが、今回のように自身を卑下するような使い方も見せる。
何を示すのか、彼がどのような意図でそれを行っているのかは当然わからなかった。

( ^Д^)「ええっと、どこまでいいましたっけ? ああ、そうだ。俺が自殺志願者って言いましたよね」

 プギャーは私が勇み足にならぬよう徐々に探っていかねばならない地点を大きく飛び越えて話を始めてくれた。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:37:44.69 ID:rHemQn9b0
 ここから彼の話は十分ほど続き、私はその間ほとんど口を挟まなかった。
他者の生き方を否定するほど私は優れたものではない。全員が全員の意見を持ち生きているのだ。
決定的に他人から異様に感じられるような話や行動でも、本人は大真面目かも知れないのだ。

 彼は超能力者とも言えたがそれは彼の力ではなかった。
プギャーには無数の幽霊や妖怪がとり憑いている。そうやって彼は私に説明してくれた。
何を不可思議なことを言っているのだ。現実を見ろ。そう思うことはない。私だって、人外なのだ。

 彼の頭の中で考えられた経緯を私は想像することしかできないが、彼は現状に満足しているようであった。

 始めに、プギャーは自己陶酔をする人間であった。それも重度のナルシシストだ。
自分の容貌に愛着を持ち、常に理想とする自分を追いかけてきたようだ。目標を定め、達成する。
素晴らしいことだ、と思い私は聞いていた。だがやがて彼は周囲の注目を求めるようになる。

 高い知能を有していてなおかつ均整のとれた肉体、浮かべているさわやかな笑顔。
異性からの人気も高く優れた容姿の娘と交際し性交も行った。それを吹聴することでさらに彼は注目された。
良い噂であろうが、悪い噂であろうが彼は自分が話題に上ることを好み、自分のことを次々を話し続けた。

 恋人と別れたことは彼の精神に小さくない傷を残したが、友人たちが慰めてくれることの方が遥かに心に響いた。
注目されるために一挙手一投足を集中させる。プギャーはそんな自分が何よりも優れた存在に見えて、何よりも好きだった。

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:49:44.59 ID:rHemQn9b0
 そして、挫折が始まる。自分の性能が全てを捕らえ掴むことが不可能になってきたのだ。
恋人を作ろうと奮闘すれば学力が低下する。学力を向上させようと昼夜机に向かうと容貌が険しくなる。
それでもプギャーは全てにおいて高い水準に位置していた。他者から見れば万能な人間であっただろう。

 しかしそれでは、プギャーは自分自身を満足させることができなかったのだ。
かつて羨望していた他者からの声は完全に耳に届かず、自分が納得できる自分を作り上げることだけに専念した。

 彼は体を壊してしまった。
睡眠時間をほとんど取らずに毎日自分を磨き続け、納得できる自分の姿が現れるまで数時間を費やすこともあったのだ。
自分への愛情と他者からの愛情。それら二つはもう二度と手の届かない場所に行ってしまったと悟り、彼は夜通し泣いた。

 ベッドの上から見れる景色を見て、プギャーは他人から注目されることだけに心血を注ぐと決めた。

 病院に見舞いに来る家族は自慢の息子だと泣きつき、友人らは労りの言葉と優しい言葉をくれる。
自分自身が傷つき衰弱しているときにこそ最も充実した感覚をプギャーは得ることとなった。
私の想像ではあるが、相手方の哀れみと虚偽の感情に恐らく彼は気づいていないだろう。疑いもしないのだろう。

 本当に友人に哀れみがあったかどうかなんて、プギャー視点の話のため私には推量することしかできないが。

 退院すると彼は衰弱する方法を探した。
食事をとらなければいい、睡眠をとらなければいいなど色々と実行しそれらは始めのうちは効果があった。
食事をなぜ食べないのか両親が泣き、睡眠のことについても安眠グッズなど無用な贈り物を受けた。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:03:28.67 ID:rHemQn9b0
 プギャーは死にたくはなかったので、いつも限界の直前になると食欲と睡眠欲を満たした。
そのため、そのうちに「まあ大丈夫だ」と飽きられてしまったのだ。友人など気味悪がり離れていく。

 彼がオカルトに興味をもった切欠はネットサーフィンで偶然たどり着いたページであった。

 精神が(世間・一般常識である)正常から外れていたプギャーは同じようなものたちと毎夜チャットを交わしていた。
いつもと同じ会話中にオカルトサイトの話題を放り込むと彼らは何故か食いつかなかった。

 彼らはなにか言葉を彼らは並べ立てたが要するに「幽霊のようなわけのわからないものは怖い」という趣旨であった。
自分で自分を管理したい、彼らは口をそろえてそう言った。

 プギャーは彼らを軽蔑した。所詮は偽者なのだ。
絶対に破壊されない安全の中で辿り着けもしない死に近づき注目を得ようとしている彼らは、幼児と同じである。
「本当に他人から注目されたければ逸脱したことをしなければならない」プギャーはそう発言して退室した。

( ^Д^)「それにですよ」

 この言葉に、私は戦慄した。

( ^Д^)「一度死んでしまったものたちの注目も受けて生きるだなんて素晴らしいと思いませんか!?」

 彼が初めて張り上げた声であった。歓喜の声で彼は叫んだのだ。

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:11:30.65 ID:rHemQn9b0
 全国の心霊スポットなどを巡りまわり、幽霊と意思疎通ができるようになった。
顔色はどんどんと青ざめていく。道行く人はみな初対面であるためプギャーを誰もが心配してくれる。
彼の楽園とは、全国に広がっているのだ。

( ^Д^)「俺はですね、ゆっくりゆっくりと注目されていきながら死んでいくんですよ。
      老いてしまうとあまり悲しまれないから、若いうちに死にます」

<_プー゚)フ「自殺志願者……というよりは……」

 私にはうまく当てはまる言葉が浮かんでこなかった。
現在彼は何を思っているのだろうか? 様々な煩悶があったはずであり、自己矛盾に当たった時期もあっただろう。
私には、わからなかった。

( ^Д^)「で、これは、超能力じゃなくてポルターガイストっすねー」

 そういって、少女の体を浮き上がらせて見せた。
オレンジ色の髪が宙に浮かんだ少女からそのままだらりと下に流れ落ちている。
無重力状態ではないことから、幽霊がそのまま持ち上げていると考えるのが妥当であった。

 不意に彼女が落下して私の布団の上で跳ねた。

ノパ⊿゚)「あいたっ!」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:17:51.92 ID:rHemQn9b0
 目を見開いた彼女はしばらくぼうっとしていたが、見慣れない天井であることに気がついた。
首だけを回して周囲を確認する。右へ。テレビがある。左へ。笑みを浮かべたプギャーと彼女を見下ろす私がいる。

ノハ#゚⊿゚)「ああっ! 野郎ッ!」

 状況を理解した彼女は跳ね起きて、右手を伸ばした。何も起こらない。
彼女は私の目の前で、黒板を叩く教師のパントマイムを半狂乱になり繰り返していた。

<_プー゚)フ「落ち着いてくれ」

( ^Д^)「そうっすよー、俺がいますから大丈夫ですってー」

ノパ⊿゚)「うるさいぞ! 市民に悪事を働く畜生どもめ!!」

 私がプギャーに視線を向けると彼も同じことを考えていたのかこちらを見返していた。
私は頷く。プギャーも頷く。すると何かが動く気配があり少女は布団の上へとうつ伏せで叩きつけられた。
背中を強力な力で押さえつけられているせいか身動き一つとれないようで、苦しそうに声を漏らしていた。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:26:19.59 ID:rHemQn9b0
<_プー゚)フ「単刀直入に聞く、君は、正規のヒーローじゃないな?」

ノハ#゚⊿゚)「……」

 抜けるような呼吸音しか聞こえず、返事にすら窮する状況なのだと私は判断した。
プギャーに拘束を緩めるよう言うと彼は逡巡したが、目の前のただの少女に負ける要素がないことはわかりきっていたのですぐに解放した。

<_プー゚)フ「君は、自分が犯罪者だと理解しているか?」

ノハ#゚⊿゚)「……」

( ^Д^)「黙っていても何もいいことなんてないですよー」

 彼女は歯を食いしばり興奮していた。両手は固く握り締められている。
顔をややうつむけて我々と視線を合わせないようにしていた。
考えると、容姿からまだ学生であることは容易に想像できた。そんな子供が悪人に囲まれているのだ、どれほどの恐怖だろうか。

<_プー゚)フ「我々は君に危害を加えない。それは保障するよ。だが、そのまま黙っていたら」

 少女の肩が竦む。

<_プー゚)フ「君をヒーロー協会に突き出さなきゃいけない」


21 :>>19と>>20の間にこのレスが入ります:2010/08/16(月) 03:36:32.56 ID:rHemQn9b0
ノハ;゚⊿゚)「!?」

<_プー゚)フ「大体、あんなものを使っているところを見つかったら、君も悪人の仲間と見なされるぞ」

 彼女は項垂れる。
自分のやっていた行為を知っていたようだが、どうしても真似事がしたかったのだろう。

<_プー゚)フ「みんなに恐れられている悪人だぞ? 命の危険性もあるに決まってる。大体、決定的なのはヒーローなら変身するはずだ」

 少女はただ、黙って聞いていた。
弁解することなく告解することもなく私の言葉をただ受け止めていた。

 そのまま説教を続け、このまますんなりと終わるだろうか、と半ば安心した頃であった。

<_プー゚)フ「いいか? もう二度とこんなことするんじゃないぞ?」

ノハ ⊿ )


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:35:16.86 ID:rHemQn9b0
<_プー゚)フ「それと、あの亀だがどうやって手に入れた?」

ノハ ⊿ )

<_プー゚)フ「答えないとヒーロー協会に行くことになる」

ノハ ⊿ )

 少女は何も言わない動かない。やれやれ。私は息を吐いた。
吐き終わるとなにか小さな声が聞こえた。隣だろうかと思ったが違うようであった。
プギャーかと思ってみるが、彼は退屈そうに欠伸をしていた。

 なおも声は続いている。
どこだ! 幽霊か!? 私はやや苛立ちながら見回した。だが幽霊など見えるわけがない。
ならば声も聞こえないはずである。多分、きっと。やや不安は残るがその線を排除する。

<_;プー゚)フ「!」

 ここで私はようやく気がついた。目の前の少女からだ!


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:40:25.53 ID:rHemQn9b0
ノハ ⊿ )「どうしてアタシのやっていることがわからないんだろう社会のゴミである悪人を成敗しにいっただけなのに
     しかもなぜかクズである悪人に説教されている。ああどうしてどうして。アタシのような特別優れている
     人間がなんの役にも立たないこんな奴等に説教されなきゃいけないんだ。アタシは優秀なんだぞ。頭も顔
     もよくて運動神経もいい。周りのカスみたいな人間とは違う。だけどそんな人間ともアタシは会話をして
     あげるなぜなら優秀な人間が劣等な人間に合わせなきゃいけないからだ。ああアタシを理解できる人間は
     いないのか。アタシより優れた人間はいないのか? ヒーローである姉さんですらおかしいんだいないん
     だろうな。どうして今のヒーローのみんなは悪人を殺さないんだ。こんな奴等ただの邪魔者じゃないか。
     平和な生活平和な日常。みんなが平和な日常を送れるのはアタシのおかげだ。アタシが陰で悪人どもを一
     匹一匹殺していっているからだ。弱そうな悪人を見つけて倒すと亀を落とした。あれは新しい武器だ。ア
     タシに支給された武器なんだ。あれはじゃあ悪人じゃない。正義の使者だ。アタシに悪人を殺せと命令し
     にきたんだ。上層部からの命令だ。大丈夫。アタシは一人でもやれるよ。仲間なんて必要ない。姉さんみ
     たいな遊びでやっているような奴等とは違う。どうして誰もアタシについてこないんだ。お前らみたいな
     愚鈍な存在はアタシがまとめあげなければいけないじゃないか。黙ってついてこい。アタシに全てを捧げ
     ろ。クソがッ! アタシを批判しやがって! お前らみたいな奴等が特別なアタシの何がわかるっていう
     んだ! クソッ! この侮辱は忘れないぞ。劣等の分際でアタシを軽蔑しやがって! 大体友達家族なん
     て本当に信用できるのか? 優秀なアタシに恨みをもち襲ってくるんじゃないだろうか。そうだ姉さんな
     んて本当に怪しいぞ。あの女ヒーローになってアタシを見下したつもりだろうが、ヒーローですらアタシ
     のほうが優秀であることがわかったんだ。アタシは一人だ。唯一孤高の存在。誰よりも優れた英雄なんだ」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:44:38.33 ID:rHemQn9b0
<_;プー゚)フ「……」

 少女は紛れもない自己愛性人格障害であった。さらに妄想性人格障害でもあるようだった。

 悪人とヒーローの関係性が把握できていないようだった。
彼女は我々を本当に極悪非道な人物だと思い込んでいて、自分は無敵の主人公なのだと信じ込んでいる。

 本来ならそんなことは決して到達できない高みで現在の自分の地点に気づいて苦しみ前に進むのが普通である。
だが彼女の場合、変幻自在の兵器である亀を手に入れたことが妄想を現実に変えてしまう引き金だったのだ。
言動からするに彼女の撃鉄は起こされ弾丸が発射されている。理想を妥協することなく現実を手に入れたのだ。

 根幹は少女とプギャーは同じであった。される側とする側の違いがここまで現在を分けたのだ。

ノパ⊿゚)「そうだアタシは英雄でヒーロー。悪者なんかに絶対やられるはずがない!」

 少女は私目掛けて飛び掛ってきた。片足で飛び足を突き出す。不恰好な飛び蹴りだった。
私は飛んでくる彼女を座りながら手で払った。腹部に深く突き刺さった感覚があった。
彼女は襖を二つに折り、四畳半の部屋と飛び込んだ。嘔吐して苦しみのたうちまわっている。

 胃液を吐き出しながらも呟くことはやめない。

<_プー゚)フ「ヒーローでもないただの人間が私に勝てるはずがない。やめろ」

ノハ#゚⊿゚)「うるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえッ!!
     アタシは特別なんだ優秀なんだアタシが一番なんだ誰よりもすごく誰よりも気高く誰よりも強いんだ!!」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:46:03.02 ID:rHemQn9b0
 たった少しの距離でさえ彼女は真っ直ぐ走ることはできず、よろけながら私に体当たりをする。
私は動かず、彼女を気絶させる最小限の力で彼女の後頭部を叩いた。少女は糸が切れた人形の如く崩れ落ちた。

 プギャーは変わらない間延びした軽薄な話し方で私に話しかけた。笑みを浮かべている。

( ^Д^)「お見事っすねー」

<_プー゚)フ「君ならもっとスマートにやれたのではないか」

( ^Д^)「いやー俺には手加減がうまくできないっすよ。ほら、いくら俺でも実行は幽霊の意思ですし」

 私は少女を抱えて立ち上がりシュールたちが待っている部屋へと行き、フサギコ君とドクオに少女の処理を任せた。
できるだけ人目につく場所で、なおかつ自分たちの姿を見られないように。そう言いつけると彼らは一目散に走っていった。
行動はできるだけ迅速なほうが良い。ヒーローに見つかるとたまったものではない。正規の彼らは手加減してくれるがやはり痛みは拒絶すべきだ。

 事態が解決したので、私は考えていた案を切り出すことにした。

<_プー゚)フ「なあプギャー。とてもいい目立つ方法があるんだ。我々の仲間になれ」

( ^Д^)「具体的に何をするんすか? いくら俺でも仕事は選びますよ。今日みたいなことばかりですか?」

<_プー゚)フ「ヒーロー協会の壊滅と、ヒーローの殲滅だ。今日よりもっと愉快なことだ」

( ^Д^)「へええ、面白そうですね。でも、できるんですか? いくら俺がいてもそれはムズカシイですよ」

<_プー゚)フ「タイミング次第だろうな。自力では劣っていないはずではあるがまだまだ計画中だ」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:47:40.50 ID:rHemQn9b0
 プギャーの相槌ともただのうわ言ともとれる返事を聞いた私は部屋内の掃除を始めることにした。
少女のせいでまるで台風が発生したかのように無秩序に荒れている。襖など新しいのを買わなければならない。
私が掃除している間プギャーはぼうっと宙を見ており、シュールは本を読んでいた。残りは隣であろう。

 あらかた片付いたであろうか。
そう思えたのは夕方になってきた頃であった。

 遠くからかつかつと足音がした。誰かがここに近づいてきている。
フサギコ君とドクオはもう帰ってきているはずなので、これはつーさんだなと私は判断する。
扉が開くとやはりつーさんであった。私は出迎えの挨拶を告げるが、彼女は何も言わない。

 ただじっと私のことを見つめている。

(*゚∀゚)「エクストさん、あなたのこと、どこかで見たことあると思ったんです」

 息切れが収まるのを待たずにつーさんは続ける。

(*゚∀゚)「私、研修のときに、貴方を見かけているんですよね。色々聞き込みをしてわかりました」

 彼女の人脈がどれほどか私は知らないが、つーさんの様子からその事実は重大なことのようだった。

 そうして彼女は言い放った。

(*゚∀゚)「貴方、元ヒーローですよね? どうしてこんなところにいるんですか?」

<_プー゚)フ

 #4 「個人的な独断と偏見的な意見が集合する中で」 終わり

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 03:51:30.81 ID:rHemQn9b0
終わりです。いつもより少しだけ長いですね。それでも短いですけど。
>>21のようなミスは本当に気が滅入りますね。今後はなくしたいものです。

半ながら投下のため推敲すらきちんとできていません。
お見苦しい点は耐え忍んでください。あまりにも酷い場合は次回修正版を投下いたします。
深夜までお付き合いありがとうございました。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 04:06:48.88 ID:Nbqpc2I2P
乙乙

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 05:03:32.35 ID:0u/hn03pP
乙!

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 07:38:50.50 ID:Ti+HPjEl0
面白いな乙

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 08:53:18.97 ID:iHg80b/WO
悪くない。わりと好きな部類だ

乙、待とう
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